還元率が高いことで知られるブックメーカー!でも還元率って何?

ブックメーカーの還元率とは、ユーザーのベット額に対する払い戻しの割合のことを指します。還元率が高ければ高いほどユーザーに有利なギャンブルと言われています。

しかしながら、実際には還元率が高ければ勝ちやすいというわけではありません。ブックメーカーの還元率はオッズが絡んでくるため、たとえ還元率が低くてもオッズ次第では確実なリターンを見込めることがあります。

この記事では還元率の考え方やなぜ高い還元率を実現できるのかなど、ブックメーカーの還元率について詳しくご紹介していきます。

還元率とは

前述の通り、還元率とはユーザーがベットした金額に対して、どれほどの割合が戻ってくるのを示した数字のことを言います。

例えば、100ドルをベットした場合、還元率が90%であるならば、90ドルが返ってくることになります。そのため、還元率が高ければ高いほどユーザーが有利となります。

ブックメーカーの還元率は基本的に100%を超えることはありません。それはブックメーカーが利益としてユーザーのベット額から数パーセントを差し引いているためです。

還元率が90%であれば10%はブックメーカーの利益となるということです。

還元率の計算方法

特定のスポーツの試合における還元率は計算によって算出することができます。

還元率=1÷(オッズの逆数の合計)x100

上記の計算を行うことで還元率は求められます。

例えば、Aチーム勝利(1.3倍)、引き分け(4.8倍)、Bチーム勝利(10.5倍)というスポーツの試合があったと仮定しましょう。この試合における還元率を求めてみます。

まずはオッズの逆数の合計を計算します。オッズの逆数は1をオッズで割ると算出することができます。
Aチーム勝利 1÷1.3=0.769…
引き分け 1÷4.8=0.208…
Bチーム勝利 1÷10.5=0.095…
合計 0.769+0.208+0.095=1.072

1をオッズの逆数で割って、100を掛けると還元率が算出されます。
1÷1.072×100=93.28%

この試合の還元率は約93%であり、ベット額の7%がブックメーカーの利益となる見込みです。

ブックメーカーの還元率

還元率は全てのギャンブルに存在します。ベット額に対してどれだけの割合が払い戻されるかはそのギャンブルによって異なります。

ここではブックメーカーの還元率と他のギャンブルの還元率を比較してみます。

ブックメーカー : 92%~98%
パチンコ : 85%
競馬 : 75%
スポーツくじ : 50%

ブックメーカー

ブックメーカーの還元率は92%~98%と高い数値に設定されています。

ブックメーカーは自らオッズを設定しますが、オッズのつけ方によっては還元率が100%を超えることもあります。

例えば、あまり注目のされないマイナースポーツに対して数人のみが同じベットオプションにベットし的中させた場合、還元率は100%を超え、ブックメーカーは大きな損をすることになります。

パチンコ

パチンコは店や台によって確率が異なりますが、85%程度の還元率を持っていると言われています。

パチンコには期待値と呼ばれる投資額に対してのリターンの可能性を表す指標がありますが、考え方は還元率とほとんど同じです。

また、それぞれのパチンコ台には設定と呼ばれる当たりの出やすさを示す数値もあり、設定が高ければ高いほど還元率も高くなります。高い設定を持つパチンコ台は還元率が100%を超えることもありますが、全体的に設定は抑えられているのでパチンコの還元率は総じて85%程度と言われています。

競馬

競馬は単勝や3連単など、賭け方によって若干の差はありますが、総じて75%程度の還元率を持っています。

競馬は公営ギャンブルとして、利益を確保する必要があるため、パリミチュエル方式を採用しています。この方式の下では胴元は絶対に損をしないシステムとなっており、競馬の還元率は控えめになっています。

なお、ブックメーカーはパリミチュエル方式ではないので、ブックメーカーで競馬にベットする際には還元率は高い水準を維持したままベットできます。

スポーツくじ

スポーツくじとはtotoやWINNERなど、公営ギャンブルとして運営されているスポーツにベットできるギャンブルです。

特にWINNERではサッカーやバスケの試合の結果を予想しベットすることができるため、ブックメーカーとほとんど変わらないサービス内容となっています。

しかし、公営ギャンブルであるスポーツくじはその目的として「スポーツや地方の発展」を掲げているため、利益を確保する必要があります。その利益がマージンとしてベット額から引かれるため、還元率は50%と非常に低くなっていますす。

スポーツくじの還元率の低さはオッズで確認することができます。以下は、スポーツくじとブックメーカーで同じ試合の同じ結果に対して設定されたオッズです。

スポーツくじ

ブックメーカー

同じベットオプションであるのに2倍近くのオッズ差があります。90%を超える還元率のブックメーカーと還元率50%のスポーツくじの差が如実に表れています。

なぜ高い?ブックメーカーの還元率

オンライン運営の強み

ブックメーカーは競馬場や競艇場のような物理的な施設を必要とせず、高額な運営コストをかけずに済む点が大きな特徴です。インターネットを介した運営により、これらの施設の維持費や多数のスタッフの人件費が不要となります。

また、オンライン上のシステムを使用することで、ユーザーデータの管理やスポーツに対するベットの処理も自動化・効率化が図れるため、これらの運営コストの削減が、ユーザーへの還元率の向上に直結しています。

競争原理

インターネットの普及により、世界中から容易にブックメーカーへアクセスできるようになった結果、ブックメーカー間の競争が非常に激しくなっています。

ユーザーを惹きつけるためには、より良いオッズや魅力的なボーナス、高い還元率を提供することが求められるようになりました。

このため、ブックメーカーはユーザーの獲得と満足度の向上のために、マージンを抑え、可能な限り高い還元率を提供しようと努力しています。

また、ユーザーエクスペリエンスの向上にも注力し、使いやすいウェブサイトやアプリの提供、多様なベッティングオプションの提供などによっても差別化を図っています。

民間企業のメリット

ブックメーカーを運営している会社は全て民間の企業です。

日本の公営ギャンブルでは公共事業やスポーツの発展のために利益を確保し、損失が出ないように運営されています。そのため、ユーザーのベット額から利益を差し引いて、スポーツがどのような結果になっても絶対に損失を生まないように設計されています。

これにより、公営ギャンブルは還元率が低くなっているのですが、前述の通り、ブックメーカーは民間企業であるため、このような制約は一切ありません。

還元率の注意点

還元率は変動する

ブックメーカーの還元率は常に変動します。スポーツによっても、試合によっても、オッズによっても変動します。賭けるタイミングによっても変動します。

還元率に囚われすぎるとどのベットオプションにもベットできなくなるかもしれません。

還元率はあくまで目安の数字として活用し、実際はブックメーカーが設定しているオッズを分析してベットするかどうかを決める方が良いでしょう。

還元率は理論上の数字

還元率はあくまで一つの指標に過ぎず、その数字が実際のベットでの勝敗やリターンを保証するものではありません。還元率が100%に近い、あるいはそれを超えるブックメーカーも存在しますが、これはあくまで全体としての数字であり、個々のベットの結果は異なります。特に、短期間での結果は、運や偶然の要素が大きく影響します。

還元率が高いということは、理論的にはプレイヤーに返される金額が多いということを意味しますが、それは長期間にわたって数多くのベットをした結果としての平均値であることを理解する必要があります。

まとめ